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住宅ローンの返済は月々どのくらいがベスト?
決め方を確認

住宅ローンは、最長35年間と長期間にわたる返済が必要です。そのため、「きちんと毎月返済していけるのか?」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。自身の収入を把握して、「毎月いくらずつ返済をしていくのがベストなのか」を考えることが大切です。

何歳まで収入が得られるのかは、人によって異なります。住宅ローンは、収入が得られる年齢までに返済を終えるのが理想的でしょう。本記事では、住宅ローンの月々の返済額はどのくらいが安心か、返済額はどのようにして決まるのか解説していきます。


目次

  1. 住宅ローンの返済比率とは?
  2. 住宅ローン借入額から月々の返済額を確認してみよう
  3. 住宅ローンの月々の返済額を決める要素とは
  4. 月々の住宅ローン返済と生活費のバランスにも注意

住宅ローンの返済比率とは?

年収に占める年間返済額の割合を「返済比率(返済負担率)」と呼びます。金融機関が住宅ローンの審査をする際には、この「返済比率」が重要視される傾向です。年間返済額は、住宅ローンだけではなく、他社で利用している借り入れの年間返済額も含めて計算することも覚えておきましょう。

住宅ローンの審査をする際の返済比率の基準や、年間返済額を計算するときの金利は、金融機関によって異なります。年収が多いほど、返済に余力が生まれるため、返済比率は30~40%が目安となるでしょう。

教育ローンやマイカーローンなどを利用する可能性を考慮すると、住宅ローン単体での年間返済額の割合は20~25%に抑えておきたいものです。返済期間ごとの毎月の返済額と返済総額について見てみましょう。

【シミュレーションの前提条件】

  • 借入額:3,000万円
  • 金利(固定):3%
  • 返済方法:元利均等返済
  • ボーナス払いなし
返済期間 毎月の返済額 返済総額
20年 16万6,379円 3,998万5,134円
30年 12万6,481円 4,558万7,247円
35年 11万5,455円 4,854万5,014円

返済比率を理想に近づけるには、月々いくらずつの返済額に抑える必要があるのかを知ることが必要です。年収と返済比率に応じた月々の返済額との関係を表で見ていくと、以下のようになります。

年収 返済比率
25% 30% 35% 40%
400万円 8万3,333円 10万円 11万6,667円 13万3,333円
500万円 10万4,167円 12万5,000円 14万5,833円 16万6,667円
600万円 12万5,000円 15万円 17万5,000円 20万円
700万円 14万5,833円 17万5,000円 20万4,167円 23万3,333円
800万円 16万6,667円 20万円 23万3,333円 26万6,667円
900万円 18万7,500円 22万5,000円 26万2,500円 30万円
  • ※ ボーナス払いを併用する場合には計算方法が異なります。

例えば、年収600万円の方が3,000万円の住宅ローンを組むとしましょう。住宅ローンの返済比率を25%以内に抑えるには、月々の返済額を12万5,000円以内にする必要があります。そのため、住宅ローンの返済期間は30年程度を目安にするのがよいでしょう。


住宅ローン借入額から月々の返済額を確認してみよう

定年までの残り期間や、自己資金額など、自身のライフプランに合わせて住宅ローンの借入金額や返済期間を調整します。住宅ローンは、収入が得られる年齢までに返済を終えるのが理想的でしょう。

なかには、退職金で住宅ローンの残額を返済する方も少なくありません。退職金で住宅ローンの繰り上げ完済をする予定であれば、借入期間を長めにしておくのもひとつの方法です。

しかし、住宅ローンを完済するために退職金をすべて使い切ってしまうと、その後住宅のリフォームや修繕費用が必要になったときに困ります。また、年金だけで生活をするのが難しい場合もあるため、老後資金の確保も忘れてはいけません。

近年は、定年退職後も65歳や70歳まで継続雇用制度を利用して働くことができる企業が多い傾向です。年金生活になってから現役時代と同額の返済は厳しくなることも予想されるため、将来の収入状況も見据えたうえで、無理のない返済期間を検討しましょう。

勤務先の就業規則などで、いつまで働けるのかを確認し、働いて収入が得られる年齢までの返済期間にすることが大切です。各金融機関のサイトでは、住宅ローン借入希望額を入力すると毎月の返済額が試算できるシミュレーションがあります。

いろいろと条件を変えて試算し、月々の負担がどの程度になるかを確認してみましょう。住宅ローンの返済金額は、こちらのサイトでもシミュレーション可能です。ぜひご利用ください。


住宅ローンの月々の返済額を決める要素とは

借入額が多くなるほど、月々の返済額は増加していきます。しかし、住宅ローンの月々の返済額を決める要素はそれだけではありません。ここでは、借入額以外の月々の返済額を決める要素について考えていきましょう。


返済期間によって決まる

同じ借入額でも返済期間が長いほど月々の返済額は少なくなります。ただし、返済期間を長くすると利息を含めた総返済額が多くなる点には要注意です。利息は、借入額が多く借入期間が長いほど増加します。

返済期間を長くすることで、月々の返済額を軽減できます。しかし、月々の返済額が少ないと元金はなかなか減少しません。また、利息は元金に対して計算されるため、元金が減少するスピードが遅くなるほど、その分支払う利息が多くなります。

返済期間は、家計への負担と将来のライフプランを踏まえて、慎重に検討しましょう。


ボーナス払いの有無によって決まる

住宅ローンは、主に以下の2種類の返済方法から選択できます。

  • 毎月返済:月々決まった金額だけ返済する
  • 毎月返済+ボーナス返済:毎月の返済に加えて設定したボーナス月に増額して返済する

ボーナス払いは、借入金額の50%以内が一般的です。毎月の返済とボーナス払いを併用することで、月々の返済額を減らせます。ただし、ボーナスを別のことに使いたい場合には注意が必要です。

一般的に、ボーナス払いは6ヵ月に1度の支払いとなるため、半年ごとにまとまった金額を返済しなければなりません。ボーナス払いが借入金額の50%以内までできるといっても、あまりに多くし過ぎるのは禁物です。

なぜなら、ボーナスが減額されたり、なくなったりした場合、ボーナス月の返済負担が大きくのしかかるからです。場合によっては、毎月の生活費や貯蓄を切り崩して返済するような事態にもなりかねません。

勤務先の業績によっては、ボーナスが減額される可能性があるため、ボーナス払いは無理のない範囲で組むようにしましょう。


金利プランによって決まる

住宅ローンの金利プランは、「変動金利」「全期間固定金利型」「固定金利選択型(特約型)」の3種類があります。一般的に、固定金利よりも変動金利のほうが金利は低く、固定金利選択型の中でも、固定金利期間が短いほど金利が低くなるのが特徴です。

固定金利の場合は、金利が高いほど月々の返済額は増加します。固定金利選択型の場合でも、仕組みは同じです。2年・3年・5年・10年・20年などと金利が変わらない一定期間を選択できますが、選択した期間によって金利が異なり、月々の返済額も金利に応じて変化します。

また、変動金利の場合は、金利の変更があったとしても5年間は毎月の返済金額は変わりません(5年ルール)。しかし、月々の返済額は金利変更に伴い5年ごとに見直しが行われ、金利上昇時には最大125%の範囲内で増加する可能性があります(125%ルール)。

  • ※ 5年ルールと125%ルールは金融機関によって採用していないところもあります。

金利は、月々の返済額に大きな影響を与えるため、金利の動向もチェックして金利プランを決めるようにしましょう。


月々の住宅ローン返済と生活費のバランスにも注意

住宅ローンの借入額や、月々の返済額を考える際には、生活費とのバランスにも気を付けなければなりません。早く返済したいからといって、月々の返済額を増やしすぎてしまうと、生活費が足りなくなる可能性があります。

日々の生活に支障が出ないように、住宅ローンの返済と生活費のバランスにも注意しましょう。マンションを購入する場合は、住宅ローンの返済のほかにも、管理費や修繕積立金などの必要経費がかかります。

また、住宅を維持していくうえで毎年必要となる固定資産税や都市計画税の支払い資金、修繕費用なども確保しておかなければなりません。住宅ローンの返済以外の住宅にかかるコストにも目を向け、金利変動のリスクにも備える必要があります。

住宅ローンを利用する際には、住宅ローンの返済が日々の生活を圧迫しないように、生活費とのバランスを考慮したプランを立てることが大切です。予期せぬ事態にも備え、ある程度貯蓄にもお金を回すことができるくらいのゆとりがあるとよいでしょう。


まとめ

住宅ローンは、収入が得られる年齢までに返済を終えるのが理想的です。住宅ローンの月々の返済額を決める要素には、借入額や返済期間、ボーナス払いの有無、金利プランなどさまざまなものがあります。

月々の返済金額を検討する際には、毎月の返済額が試算できるシミュレーションを活用するのも効果的です。月々の返済金額がどの程度になるか、いろいろと条件を変えて試算してみてください。

住宅ローンを組む際には、定年までの残り期間や、自己資金額など、自身のライフプランに合わせて借入金額や返済期間を検討することが大切です。住宅にかかるコストや生活費とのバランスにも目を向け、金利上昇リスクにも備えたゆとりのある返済プランを立てましょう。

◆氏名
加治 直樹(かじ・なおき)

◆保有資格
1級FP技能士
社会保険労務士

◆プロフィール
銀行に20年以上勤務し、融資及び営業の責任者として不動産融資から住宅ローンの審査、資産運用や年金相談まで幅広く相談業務を経験。在籍中に1級ファイナンシャル・プランニング技能士及び特定社会保険労務士を取得。退職後、かじ社会保険労務士事務所として独立。現在は労働基準監督署で企業の労務相談や個人の労働相談を受けつつ、セミナー講師など幅広く活動中。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタントを目指す。法人個人を問わず対応可能で、会社と従業員双方にとって良い職場をつくり、ともに成長したいと考える。

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