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住宅ローンの頭金は準備すべき?
頭金を準備するにあたってのポイントを解説

一般的に、住宅ローンを利用してマイホームの購入を検討する際は、頭金を入れたほうがいいといわれています。しかし、どのくらい頭金を準備すればよいのかわからない人も多いのではないでしょうか。

住宅ローンは、同じ返済期間で同じ金利の場合、借入金額が大きいほど毎月の返済額が多くなります。毎月の返済負担を考えると、ある程度の頭金は準備したほうが賢明です。しかし、現在持っているお金をすべて頭金に入れてしまうのはおすすめできません。

今回は住宅ローンを利用する際の頭金はどのぐらい準備すべきか、準備する場合のポイントついて解説します。


目次

  1. 頭金はいくらくらい準備すればいい?
  2. 住宅ローンの頭金を準備する際のポイント
  3. 頭金の金額を決める際に気を付けること

頭金はいくらくらい準備すればいい?

頭金とは、マイホームを住宅ローンで購入する際に代金の一部として支払う金額です。一般的に、頭金は住宅購入資金の25%程度を用意するのがよいといわれています。また、マイホーム購入における契約時の手付金の目安は、10%程度です。

手付金は、契約時、他の人に買われないよう、物件を押さえるために支払うお金のため、契約をキャンセルすると戻ってこないケースもあります。物件の購入が決まれば、最終的に購入代金の一部に充当されるため、手付金も頭金の一部といえるでしょう。

頭金なしでも住宅の購入はできますが、住宅ローンを組む場合は毎月の返済負担も考慮しなければなりません。また、購入費用のほかに不動産会社へ支払う仲介手数料や登記費用、住宅ローンの事務手数料など、住宅取得にかかる諸経費の目安は5~10%程度です。

借入金額が大きくなると、当然毎月の返済の負担も大きくなるため、返済額と収入のバランスを考慮して頭金の金額を決める必要があります。


住宅ローンの頭金を準備する際のポイント

住宅ローンの借入金額が多いほど、毎月の返済負担は大きくなるため、頭金を多く準備すれば借入金額の減少につながり、毎月の返済負担を軽減できます。ここでは、返済額と収入とのバランスに視点を置いて、頭金を準備する際のポイントについて確認していきましょう。

頭金を準備するメリット

住宅ローンの頭金を準備するメリットとしては、借入金額を減らす効果があげられます。借入金額を少なくできれば、支払利息も減少し、最終的な総返済額を減らすことが可能です。以下のシミュレーションを見ると、頭金を準備し借入金額を減らすことで毎月の返済額を減らせることがよくわかるでしょう。

【返済期間30年、金利(固定)1.5%、元利均等返済ボーナス払いなし】

借入金額 毎月の返済額 返済総額
5,000万円 17万2,560円 6,212万1,428円
4,500万円 15万5,304円 5,590万9,255円
4,000万円 13万8,048円 4,969万7,092円

また、毎月の返済額を変えずに借入金額を減らすことができれば、返済期間を短くすることも可能です。例えば毎月の返済額17万円程度にして、借入金額を5,000万円から4,000万円に減らすことができれば、借入期間を30年から23年程度にまで短縮することができます。

【金利(固定)1.5%、元利均等返済ボーナス払いなし】

借入金額 毎月の返済額 返済総額
5,000万円(30年) 17万2,560円 6,212万1,428円
4,500万円(26年) 17万4,268円 5,437万1,535円
4,000万円(23年) 17万1,451円 4,732万597円

頭金を準備する際の注意点

預貯金の大半を頭金に充当した場合、将来予定外の出費が発生したときに対応できなくなる恐れがあります。例えば、借入金額を減らすために頭金を入れたのに、家族や自分自身の病気による入院や思わぬケガなどで資金の目途が立たず、結果的に金利の高いカードローンを利用したのでは本末転倒となってしまいます。

住宅ローンの頭金を準備することは大切ですが、万が一に備えて、ある程度の資金は手元に残しておくことをおすすめします。
また、頭金を準備するまでには時間がかかることも念頭におく必要があります。いざ住宅を購入したいタイミングで理想の資金計画を叶えるためには、計画的な貯蓄が大切です。

また一般的に、住宅ローンの借入期間は「最長35年」「完済時年齢80歳未満」というような申込条件があります。仮に、完済時年齢が80歳未満の場合は、申し込みする年齢が44歳を超えてしまうと最長35年の住宅ローンは組めなくなります。借入期間が短くなれば毎月の返済負担は大きくなるため、将来を見据えて住宅購入や住宅ローン借入のタイミングを検討することが大切です。


頭金の金額を決める際に気を付けること

預貯金すべてを頭金に使ってしまうのはおすすめできません。頭金の金額を決める際の注意点について見ていきましょう。


ライフプランを確認しよう

子どもがいる世帯は、将来的に大きな出費が予想されます。子どもの大学進学や、留学、遠方への進学などの可能性はないかなどライフプランを十分に考慮して頭金の金額を決めることが大切です。

マイカーや大型家電の買い替えを予定している場合も同様です。将来まとまった資金が必要な場合は、無理をせず手元に残しておきましょう。長期返済中には、以下のようなライフイベントの発生も予想されます。

  • 出産
  • 子どもの入学・進学・結婚
  • マイカーの買い替え
  • 自宅のリフォーム
  • 老後資金の貯蓄など

ライフプランに合わせた資金計画を念頭に置いて、頭金の金額を決めましょう。


予定外の出費についても考えておく

多くの人の場合、マイホーム購入は一生に一度の大きな買い物です。予定外の出費に備えたリスク管理が必要になるため、慎重に検討しなければなりません。そのためには、家族の急病や、親の介護費用など予定外の出費についても考えておく必要があります。貯金の大半を頭金にせず、いざというときのお金は残しておくと安心です。

また、万が一に備えて、加入している保険の見直しをするのもよいでしょう。病気やケガで働けなくなったときの所得補償保険の加入や、学資保険の満期時期の確認、傷害保険の保障内容の見直しなどを行い、予定外の出費が発生したときの対策を考えておくと安心です。


住宅購入の追加費用がかかる可能性についても考えておく

住宅の購入や建築の際には、追加費用がかかることもあります。購入(建築)する物件の費用を事前にある程度算出しているでしょうが、それでもオプション追加や仕様変更でさらに費用が上乗せされることも少なくありません。

また、住宅購入を機に家電や家具を新しく買い替えたい方も多くいます。例えば、色調や間取りに合わせてカーテンやソファーを買い替えたり、部屋数に合わせてエアコンやテレビを購入したりするといった具合です。

登記費用や住宅ローンにかかる事務手数料などの諸経費だけでなく、家具や家電も購入するとなると、相当の費用になるでしょう。しかし、住宅ローンを借り入れしてから、不足した追加費用を再度借り入れするわけにはいきません。

そのためにも、追加費用や新居に持っていくことができない家具、家電の購入費用などをどのように工面するのかも考えたうえで、頭金の金額を決める必要があります。


まとめ

住宅ローンを組む際に、頭金を入れることで、借入金額を減らせるため、総返済額を減らす効果が期待できます。しかし、手元の預貯金の多くを頭金に入れてしまうことはおすすめできません。なぜなら、手元にある程度まとまった貯金がないと、予定外の出費があった際に、対応できない可能性があるからです。

マイホーム購入は、多くの人にとって一生に一度の大きな買い物となります。そのため、住宅ローンにかかる諸経費だけではなく、オプションの追加や仕様変更などによる追加費用、家具や家電の購入費用も考えておかなければなりません。預貯金の大半を頭金にするのではなく、予定外の出費に備えておくことも必要です。

現在の収入と返済のバランスや、ライフプランに合わせた資金計画を意識して、無理のない返済ができるように頭金の金額を決めましょう。

◆氏名
加治 直樹(かじ・なおき)

◆保有資格
1級FP技能士
社会保険労務士

◆プロフィール
銀行に20年以上勤務し、融資及び営業の責任者として不動産融資から住宅ローンの審査、資産運用や年金相談まで幅広く相談業務を経験。在籍中に1級ファイナンシャル・プランニング技能士及び特定社会保険労務士を取得。退職後、かじ社会保険労務士事務所として独立。現在は労働基準監督署で企業の労務相談や個人の労働相談を受けつつ、セミナー講師など幅広く活動中。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタントを目指す。法人個人を問わず対応可能で、会社と従業員双方にとって良い職場をつくり、ともに成長したいと考える。

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